水素水が「ただの水」と言われてしまうことに疑問を感じたことはないでしょうか。

実際に市場にはさまざまな水素水製品があふれていますが、水素濃度が不明確なものや、水素が抜けやすい保存環境のものも多く、消費者の間で「本当に効果があるのか」「ただの水ではないか」という声が根強くあります。

そこで本記事では、水素水がただの水と言われてしまう理由を解説し、水素水と普通の水の違いや、信頼できる水素水の選び方についても分かりやすく紹介します。

水素水がただの水だと言われてしまうのはなぜ？

市場には水素濃度が明確でない製品や、水素が抜けやすい保存状態のものも存在しており、そうした背景が消費者の不信感を招いています。さらに、味や見た目において通常の水とほとんど違いがないことや、法規制によって効果の表現が制限されていることも、「水素水はただの水」と言われる理由の一因となっています。

まずは、水素水に対してそのような誤解が生まれてしまう背景を整理していきましょう。

 

国民生活センターの報告で「水素濃度が確認できない製品」が多数あった

2016年に国民生活センターが実施した調査では、市販されている水素水商品のうち、表示された水素濃度が実際にはほとんど検出されない製品が複数見つかりました。特にパウチタイプやアルミ缶入りの商品では、製造直後の水素濃度が適正であっても、開封時点では水素がほとんど残っていないケースも。

このような調査結果は、「水素水は、実はただの水ではないか？」という消費者の疑念を招く原因となり、業界全体の信頼性にも影響を与えています。

引用元
独立行政法人国民生活センター｜容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」－「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です

 

表現が控えめで効果を水分補給程度にしか言わないケースが多い

水素水が「ただの水」と見なされやすいもう一つの理由は、製品パッケージや広告などにおける効果表現の控えめさです。

薬機法や景品表示法により、健康効果を明言するには科学的根拠が必要であり、水素水に対して「○○に効く」といった表現は基本的に認められていません。そのため、多くのメーカーは「水分補給」「リフレッシュ」といった曖昧な表現にとどめているのが現状です。

こうした背景から、消費者には「特別な効果はなく、普通の水と変わらないのでは？」という印象を与えがちです。

 

水素の抜けやすさや揮発性が消費者の信頼を損ねている

水素は非常に小さな分子で、水に溶けにくく、また時間の経過とともに容易に抜けてしまう性質を持っています。実際に、開封後すぐに飲まなかった場合や、保存状態が適切でない場合、製品中の水素濃度は大きく低下してしまうことがあります。

こうした水素の不安定さも、疑われる要因のひとつです。

 

見た目・味・匂いが普通の水と差がない

水素水は、見た目・味・匂いのいずれも一般的な水とほとんど変わりません。水素自体が無味無臭で透明な気体であるため、水に溶け込んでいても視覚や味覚でその存在を感じることはほぼ不可能です。

例え高濃度の水素が含まれていても、飲んだ瞬間に違いを実感することは難しく、疑念を抱かせやすくなります。

 

科学的に十分なエビデンスが確立されていない部分が多い

水素水に関して、抗酸化作用や疲労軽減、代謝改善などの効果が期待される研究が国内外で報告されています。しかし、現時点では科学的に十分なエビデンスが確立されたとは言い切れません。

特に、「どのくらいの水素濃度を、どのタイミングで、どれだけ摂取すれば、どのような効果が得られるのか」といった点については、まだ明確な指針が示されていないのが実情です。こうした不確かさが、消費者のただの水ではという印象を強める一因となっています。

 

 

水素水とただの水の違い

一見すると、水素水も普通の水も見た目は変わらず、味や匂いにも大きな違いは感じられません。しかし、内部に含まれている成分や製造方法、保存性といった点において、両者には明確な違いがあります。

ここからは、水素水とただの水の違いを科学的かつ実用的な視点で見ていきましょう。

 

見た目は同じでも溶存水素の量が違う

水素水とただの水の最大の違いは、水に溶けている水素（溶存水素）の量です。溶存水素とは、水の中に溶け込んでいる水素分子のことで、健康や美容への働きが期待される成分として注目されています。

水道水や一般的なミネラルウォーターには、水素はほとんど含まれていないか、あってもごく微量です。一方で水素水は、水に水素ガスを溶け込ませて作られており、溶存水素の濃度が製品の特長を左右します。

 

作られ方に違いがある

見た目には同じように見える水でも、その作られ方には明確な違いがあります。

水道水や一般的なミネラルウォーターは、自然に採取された水をろ過や殺菌処理によって安全にしたものです。一方で水素水は、通常の水に対して水素ガスを注入したり、マグネシウムと水の化学反応、または電気分解などの方法を使って水素分子を人工的に溶け込ませて作られています。

このように、水素水は通常の水には含まれない成分を後から加える工程があり、その製造方法が製品の水素濃度や持続性に大きく影響します。

 

保存中の水素濃度の変化が異なる

水素水とただの水では、保存中の性質にも大きな違いがあります。特に注目すべきなのは、水素水に含まれる水素が非常に小さく軽い分子であり、時間の経過や保存環境によって抜けやすいという特性です。

容器の素材や密閉性が不十分だと、未開封の状態でも徐々に水素が外へ逃げてしまい、飲む頃には水素濃度が大きく低下している場合もあります。一方、ただの水には気体として水素が含まれていないため、保存による成分変化のリスクはほとんどありません。

 

 

「ただの水」と言わせない！水素水の選び方

水素水は、　製品ごとに品質や性能に大きな差があります。せっかく水素水を選ぶなら、効果をしっかり実感できる良質なものを選びたいものです。

ここからは、水素水製品を選ぶ際に注目すべきポイントを見ていきましょう。

 

溶存水素濃度が明示されている製品を選ぶ

水素水を選ぶ際に最も重要なのが、溶存水素濃度が明確に表示されているかどうかです。濃度がはっきりしていることで、健康効果の目安として参考にできます。

理論上の飽和濃度は約1.6ppmですが、製品によってはこれを下回ることもあります。

特に密閉性や生成方法、保存条件によって水素濃度は変化しやすいため、加圧方式などで高濃度を謳っている製品でも、開封時や気圧・温度の変化により水素が抜けやすい点に注意が必要です。

 

容器の形・素材で水素の保持力が高いものを選ぶ

水素は分子が非常に小さく抜けやすいため、容器の形状や素材によって水素の保持力が大きく変わります。アルミパウチなど気密性の高い容器は、水素が逃げにくく長時間高濃度を保つことができます。一方で、ペットボトルのような透過性の高い素材は、水素が徐々に失われやすく、保存期間が長くなると濃度が低下してしまいます。

そのため、水素水を選ぶ際は容器の素材や密閉性能をチェックし、できるだけ水素の揮発を防ぐ構造の製品を選ぶことが大切です。

 

生成方法・製造技術がしっかりしているものを選ぶ

水素水の品質は、生成方法や製造技術に大きく左右されます。主な生成方法には、水素ガスを直接注入する方法、マグネシウムと水の化学反応を利用する方法、電気分解によって水素を発生させる方法があります。

それぞれの方法で水素の濃度や持続時間に違いが出るため、どの方法が使われているか明示されている製品を選ぶことが重要です。

また、製造過程での管理や検査体制がしっかりしているメーカーの製品は、安定した品質が期待できます。信頼できる技術と明確な情報公開が、安心して使える水素水選びのポイントです。

 

保存方法・使用タイミングに配慮された製品を選ぶ

水素水は開封後、時間が経つにつれて水素が抜けやすくなるため、保存方法や使用タイミングに配慮された製品を選ぶことが大切です。気密性や密閉性の高い容器で、開封後もできるだけ水素が逃げにくい構造のものがおすすめです。

また、開封後はなるべく早く飲み切ることが推奨されているため、使い切りやすい容量やパッケージ設計の製品を選ぶと無駄なく効果を実感しやすくなります。

 

メーカーの信頼性や実績をチェックする

メーカーの信頼性や実績も、重要なポイントです。長年にわたり水素水を提供し、ユーザーから高い評価を受けているブランドは安心感があるでしょう。また、法令に基づく表示義務を守り、試験データや分析レポートを公開している企業は、品質管理が徹底されていると考えられます。

こうした情報を確認することで、安心して使える製品を選びやすくなります。

 

 

水素水がただの水と言われないためのポイントを押さえよう

水素水は見た目や味は普通の水と変わらないため「ただの水」と誤解されやすいですが、溶存水素の有無や生成方法、保存方法に違いがあります。

選ぶ際は溶存水素濃度の表示、密閉性の高い容器、信頼できるメーカーを基準にしましょう。正しい選び方を知ることで、水素水の価値をしっかり感じられます。

効果を期待するなら、保存や飲むタイミングにも注意が必要です。ポイントを押さえて、自分に合った製品を選びましょう。